数ある美容室の中から渋谷のこの美容室を選んだわけ

その日はほとんど日本で公開されることのないチベット映画の公開初日でした。上映の映画館を調べると私がほとんど行ったことのない渋谷でした。
それまでは2年ほど銀座にある美容室に通っていたのですが、なんだかマンネリになってきたし、そろそろ変えてもいいかな、と思っていたところでした。
そうだ!この機会に渋谷の美容室に行こう!ということでネットで調べたら出てきたのが東急ハンズにほど近いビルにある美容室でした。
予約はしていたけど、指名はしてなかったのですが、担当してくれたのが超イケメンのお兄さん。もう一気にテンションが上がりました。普通、イケメンだと性格が嫌な奴が多いのですが、このお兄さんはスレてなくてぶっ飛んだ格好でもなくて、初めて話すような気がしない感じでした。
どこに住んでる?とか今日はこのあとどこへ行く?とか当たり障りない話題でそのときは終わったかと思うのですが、仕上がりはおおっーーーー。という位の満足感でした。きっと感性が合うんだ、と直感しました。
初回で感銘を受けたのですがその後とくに指名はせず、半年くらいは違う人に担当してもらいました。
そして夏のある日、またその美容室に行ったら、初回に担当してくれた彼がまた担当になりました。
やってもらっている途中で、私はふとその頃夢中になっていた「せっけん作り」のことを話したら、なんと彼も作ったことがあるというのです。ネット上ならまだしもナマのソーパーにあったのは初めてでした。それから1時間はずっと石けん作りの話に夢中でした。
それ以降、1年半が過ぎ、ある日彼は田舎に帰ることになった、と言いました。私は石けん作りの仲間以上の感情があったことは確かでしたので、この世の終わりかと思いました。
「せめて、彼が田舎に帰る前に飲みに行きたい」勇気を出して誘いましたが、その時は交わされました。
とうとう、東京での最後の担当の日、「来年に入ってからだったら一緒に飲みに行きましょう」とぼそっと言いました。
12月中は予約が絶えなくてとても行けなかったようです。
年が明けて1月5日、ドキドキしながら待ち合わせの場所に向かいました。鏡越しとは違い、対面で見るのは異常にドキドキします。
お酒が入ると私は饒舌になりました。彼も心なしか緊張していたらしく、なかなか言い出せなかったことを言いました。
なんと1月1日に結婚したということを!
田舎に帰るのは1年くらい前から決めていたそうです。その月の12日、彼は東京を離れて田舎に帰っていきました。Twitterに「ありがとう、東京!」と残して。。
その後、地元の個人経営の店に入り、現在に至っています。夏前に一度、店を尋ねましたがとても喜んでくれました。
さくらんぼがあって、おいしい牛肉があって、ミルクケーキもあるその土地が私はとても好きになり、冬前にまた行きたいと思っていたところ、なんと高速バスのチケットが当たりました。それも10数種類ある宛先の中から彼の地元行きのチケットが!!行き先を希望したわけでもないのに当たるとは、なんだか運命的なものを感じました。
早くももうすぐ第一子が産まれる意外と天然な彼のもとへ、手作りせっけんとベビー服をもって行くのが楽しみすぎて毎日テンションが高い私です。

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